今のやり方の延長では年収は3倍にはならない。gooリサーチとの共同調査の結果をビジネスの異才が解説、高収入社員に共通する25のコツを抽出した。
人間は、質問されて考える動物だ。そのためのトレーニングとして、学校では様々な質問を受け、考えて答える練習をする。しかし社会に出ると、重要なポイントを教えてくれる学校の先生はもういない。そこで重要になってくるのは、自分が自分にどういう質問をするかだ。たとえば、仕事ができるようになるためにはどうすればいいのか、真剣に考える価値はある。「自己実現のために中・長期目標を立てる」(目標達成のコツ1)意味の一つはそこにある。
ではどのように目標を立てたらよいだろうか。その秘訣は、結論から決して離れずに、目標を「細分化させて、スケジュールに落とし込む」(目標達成のコツ2)ことである。せっかく目標を立てても、現状とのギャップにため息をもらし、現実逃避してしまうようでは何にもならない。下から積み上げるのではなく、最終的な目標につながる形で、中期目標や短期目標を設定することがポイントとなる。たとえば、最終的な目標を達成するためには、「営業力をつける」ではなく、「営業におけるプレゼンテーションでの間のとり方はどうすれば上達するか」といったように、細分化して目標を設定する。
その際、とりあえず自分の常識を取り払い、まったくこれまでとは違うやり方はないのだろうかと、常に模索している人は進化する。そうでないと、何年経っても同じようなスケジュール、同じようなプロセスを繰り返すだけで、一段上にいけないのだ。それは、目標が低すぎるということでもある。実績の1割増しや2割増しではなく、2倍や3倍の目標を立てるようにしないといけない。「何か変えないとしょうがない」というところに自分を追い込んでしまうのだ。仕事ができるようになるというのは、一種の革命である。昨日よりできるようになるだけでなく、劇的にできるようになるということが大事なのだ。
高いレベルの目標が決まったら、それをどう実現していくか。そこには従来の延長線上ではない発想の転換が求められる。そのために必要なのは、ときに時間の流れを止めて、自分の心で感じ、自分の頭で考える時間をもつことだ。時間を止めるとは、情報を遮断するということである。たとえば現代人が本も新聞も携帯電話ももたず、何もせずに2時間喫茶店にいるのはなかなか難しい。それでもあえて、時間を止める。なぜなら、情報を入れながら思考することは不可能だからだ。真っ白な時間をもつ習慣をつけると、人間は様々なことを考え始めるものである。「何も予定を入れない日、時間帯を意図的に設けてブロックしている」(発想と思考のコツ1)に「あてはまる」と答えた人で、1500万円以上の人が500万円台の4倍に上ったのは、きわめて象徴的である。高い成果を出す人は、自分のための空白の時間を意識してつくり出しているのである。