今のやり方の延長では年収は3倍にはならない。gooリサーチとの共同調査の結果をビジネスの異才が解説、高収入社員に共通する25のコツを抽出した。
「未確定の予定も記入する」(スケジュールリングのコツ2)で、「どちらかというと」も含めてあてはまると答えた人は、1500万円以上が64.4%で、500万円台より10ポイント以上、上回った。これは優先順位のつけ方が自分のなかで決まっているかどうかということでもある。
決まっていた予定でも、より優先順位の高い重要な予定がそこに入ってきたら、前の予定を変更せざるをえない。つまり、未確定の予定も記入するという人は、予定が変わることを前提にして書いているのである。それに対し、「予定が確定するまでは書かない」人は、予定をいったん書き込んだら、それはもう変わらないものだと思っている。言い換えれば、優先順位という発想はなく、ただ決まった順、きた順に仕事をこなしているだけということでもある。それでは自分からスケジュールをつくり出すことも、仕事のパフォーマンスで他の人に差をつけることもできない。いつまでも与えられた仕事をこなすだけで終わってしまう。
「手帳をじっくりチェックする時間を設ける」(スケジューリングのコツ3)が、1500万円以上の人であてはまるという傾向が強かったのも当然だろう。ビジネスマンとして稼げる人は仕事を自分でつくり出せる人である。そのための時間も自分でつくり出すしかないからだ。
タスクリストについても同様のことがいえる(タスク管理のコツ)。やるべきことを明確にする「ToDoリストをつくっている」は、1500万円以上の人が13.5ポイントも上回っている。「終わったタスクを消している」「終わっていないタスクを日や時間を決めてチェックし、棚卸ししている」の割合も、当然のことながら1500万円以上の人のほうが高い。何かをするということは、それ以外のことをしないということでもある。あと一段、階段を上るために何かを捨てる覚悟をしているかどうか。タスクリストを記入することは、その決意を確認することにもつながる。
さらに、これまで見てきたスケジュール管理は、自分自身が何をどう考えて行動してきたかを記録するプロセス管理でもある。つまり手帳の管理は、思考の整理といってもいい。過去に自分が考えてきたことをもとに、アイデアが膨らむ場合も多い。前の続きから考えたほうがいい場合、メモがあれば頭出しが簡単にできる。それは時間を大きくまとめる使い方ともいえる。その日の仕事をスタートするとき、ばたばたと机の前に座ってからどうスタートしようかと考えるようでは遅い。事前に考えておいたほうが、作業が早いのは当然である。手帳はそうした思考の連続性を担保してくれる貴重なツールでもあるのだ。