断熱のグレードアップは「G1レベル」以上が安心
住宅の断熱に関しては一定の基準が存在し、住宅会社もそれをベースに断熱性能を設定することが多いです。
国の定める断熱基準が1999年からアップデートされていないこともあり、近年目指すべき水準として使われているのが「HEAT20(20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)」が提示するグレードです。
HEAT20が設けたG1、G2という基準は、国の基準よりも高い水準です。住宅において、断熱性能の目安として「国の基準、G1、G2」という3つがあると知っておきましょう(さらに寒冷地でも対応できるG3レベルもある)。
何もオーダーしなければ、断熱性能は基本的に国の基準並みとなりますが、よりあたたかな家を望むなら、G1、G2とグレードを上げることになり、追加でコストがかかる可能性も高いです。
ただ、断熱性能を高めることで、設置するエアコンの台数が減ったり、ランニングコストが抑えられたりして、いずれ初期投資は回収できます。
加えて長く健康で快適に住み続けられるというメリットもあるので、G2レベルを目標とし、最低でもG1レベル以上にしておくことをおすすめします。
安全な暮らしに直結する耐震等級は
地震大国日本において、住宅の耐震性は、安全な暮らしに直結する要素です。現在、建築基準法という法律により、住宅が満たすべき耐震性(耐震等級1)は定められていますが、あくまで最低レベル。その上には、国の基準の1.25倍の強度である「耐震等級2」と、1.5倍の強度を持つ「耐震等級3」が存在しています。
では、現実としてどの等級であれば安心して暮らせるのか。2016年に発生した熊本地震を例にとって考えてみます。
熊本地震では、震度7の地震が連続で発生しました。
耐震性の低い建物は、前震でダメージを受け、本震がとどめとなって崩壊。耐震等級1程度相当の建物のうち、6%が倒壊しました。耐震等級2の建物は、倒壊こそ逃れたものの半壊や修繕困難な損傷を負った建物もありました。しかし、耐震等級3の建物では、倒壊、全壊、大規模半壊はゼロで、地震後も軽微な修繕で住み続けられました。
命はもちろん、日々の生活を守り、維持するためにも、耐震等級3の取得をおすすめします。