「このままだと死んじゃうよ!」新しい主治医にいきなり怒られる
節制と暴飲暴食を繰り返し、やせたり太ったりを繰り返しながら、3カ月に1回、定期検査に通っていた。そんなある日、定期検査で病院に行くと主治医がかわっている。
検査表を見る先生が「なんだか偉そうだな」と思って見ていたら、いきなり怒り始めた。「おい! 真面目に節制をしないとダメじゃないか! このままだと死んじゃうよ。いつ脳卒中で倒れてもおかしくない数値だ!」
こんな勢いで怒られたのは小学生の頃にイタズラをし、先生に怒られたとき以来だ。久しぶりすぎてびっくりして目に涙がたまった。思わず「わかりました。やってみます」とオドオド言うと「やってみますじゃないんだよ! やるんだよ!」とさらに怒られる。
さすがに私も怒りがわくが、「そこまで言うならやるよ! やってやるよ!」と思った。そして「はい。やります」と小さく弱い声で先生に返事をした。それと同時に「この先生を見返してやろう」と心の中で誓ったのだ。それくらい怒られたインパクトがすごかった。この年になってあんな勢いで怒られるとは思わなかった。これ以外で、あんな怒られ方をするのはケンカをしたときの妻だけである。
今度こそ生活を改めるあの先生を見返してやる!
病院の主治医はよくかわるのだが、これほど怒られたことはなかった。当時はその医者の偉そうな態度に怒りしか感じなかった。でも冷静になると、これまで繰り返してきた節制と暴飲暴食の日々を思い出し、反省もした。
50代になって、簡単にやせられなくなってきた。体の不調も感じている。確かに、このまま同じような生活をしているとまずいことになりそうだ。
子どもはもう独立し、子育ては終わったが、孫のことなどまだまだ楽しみがある。元気なじいさんになるためには、ここでどうにかしないと……。
それに、あの偉そうな先生を見返してやりたい。その日から、私は生活を整えた。それまでの経験から、何をすればいいのかはわかっている。あれをまたやればいいんだ!
食事は和食。日中はウォーキングして水分をしっかり摂る。疲れたら昼寝する。夕方はサウナや銭湯に通って汗を流し、自宅に帰って晩酌をして寝る(晩酌か! と突っこまれるかもだが、これはやめられない)。
文字にすると簡単なのだが、続けるのは難しい。でも、「次の検査であの先生をあっと言わせたい」という気持ちがモチベーションになった。