かつて延縄船は「後家縄」と呼ばれた
ラインホーラーをはじめとする漁労機械を製造する泉井鐵工所は高知県室戸市にある。室戸市は人口1万1400人。高知県の東の端にある。ちなみに西の端は足摺岬だ。高知市から室戸市までは車で約2時間。鉄道は途中の奈半利までしか通っていない。
室戸は江戸時代から明治の初期までは鯨の町だった。その後、鰹、マグロの延縄漁が盛んになり、今でもマグロ延縄船の母港のひとつである。ただし、水揚げは室戸港ではない。室戸の船は近海でマグロを獲ったら、和歌山県の那智勝浦、千葉県の銚子、宮城県の塩釜に向かう。一方、遠洋の場合は主に静岡県の焼津、清水、神奈川県の三崎から出ていって、元の港に帰ってくる。それもあって室戸でふんだんにマグロが食べられるわけではない。地元の人たちは沿岸で獲れるキンメダイ、メジカ(宗田鰹)などを食べる。メジカは傷みやすい魚なので、獲れた港の近くでしか食べることができない。アジのようなサバのような外見で刺し身にして仏手柑(柑橘)を搾って食べる。白身の魚のような淡泊な味だ。
こちらは会員限定記事です。
無料会員にご登録頂くと、会員限定サービスをご利用いただけます。
30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
約5万本の全ての記事が閲覧可能
記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
会員限定イベントにご招待