「誰が勝ってもとりあえず官房長官に」齋藤健(65歳)

年齢的にはラストチャンスに近く、重要閣僚も経験したけど地味すぎてどうするのかと思われていた齋藤健さんも出馬に意欲を示していました。しかし、出馬の理由が「まわりからの声に押されて」的な、芸能人オーディションに勝手に友達が応募してしまい仕方なく来たら優勝しました風のエピソードの時点で当事者性をあまり感じません。

重要閣僚を任されるぐらいには期待されている人物なんですけど、大物政治家にありがちなギラギラとした権力欲的なものを一切感じないんですよね……。

もともと河野太郎さんが総裁になるのなら齋藤健さんを官房長官にという声があったぐらい安定感のある人ですが、基本的に政策面ではかなり左翼なため選挙管理内閣で早期の解散総選挙になった際には割とゴチャゴチャしそうな御仁でもあります。

齋藤健さんに声をかけた議員によれば「齋藤さんぜひ(総裁選に)出ましょうよと尋ねたら、やっぱり出るべきかなあという緩い返事だったので、むしろ出馬意欲を示すコメントを出していてびっくりした」とのことなので、総理総裁になってまで実現したいすごい政策的な何かがある人ではないのだなあと思ったりもします。

その分、誰が勝ってもとりあえず官房長官に置いとこうぜってなりやすい政治家なんでしょうね。重要閣僚である経済産業大臣なども歴任している、それなりに大物なのですけど。

「本来なら全力で先行して牽制すべきところが…」茂木敏充(68歳)

今年で幹事長1年かける3回の最終年、岸田文雄出馬が無くなって勇躍主力候補に躍り出たのが我らがモテ幹・茂木敏充せんせであります。今回こそはと言いつつ、立場的に別にラストチャンスってほどでもないし、しかも茂木派(平成研究会)は一枚岩には程遠く……。ということで、本来なら全力で先行して早めの出馬会見で牽制すべきところが馬群に揉まれているのが気になるところです。

余裕があれば、一度若い奴にやらせてみて、大変なことになって、やっぱり能力の裏打ちのあるベテランがいいという揺り戻しを次で期待する感じなんでしょうか。

世評でこそ政治家としては切れ者とされ、能力的にピカイチとも言われるものの、お仕えした官僚たちからの評価はそこまで高くなく、パワハラ問題を差し引いても「今回は記念出馬までで、決選投票には残れないだろうから重要閣僚へのスライドがせいぜいでは」「負けるのはともかくウチの大臣には来ないでほしい」と評価がさんざんなのは気の毒であるとも言えます。

さらに、知名度の低さが気になったのかネット戦略をしかけてはいますが成功しているとはとてもいえず、あまりそういう方面に勘所のない人なのだなあというところが茂木さんの面白さと言えましょう。実はすごくシャイでピュアなお人柄なのに、なんかもったいないよなあ。