AI、高頻度取引…個人投資家の生きる道は

金融リテラシーを上げたいのなら、ファイナンス理論を勉強するのが王道です。株式市場はデータが公開されていますから、1950年代から数学の天才たちによって徹底的に研究され、多くのノーベル経済学賞受賞者を出し、70年代には理論として完成しました。株式市場の情報は瞬時にすべて公開され(効率的市場仮説)、株価の値動きが正規分布することを前提とするならば、新しく付け加えるものはなにもありません。――その後、市場は複雑系のべき分布で、効率的市場仮説はつねに成立するわけではないとされるようになりましたが、ファイナンス理論が金融リテラシーの基礎であることは変わりません。

ファイナンス理論が素晴らしいのは、個人でも金融市場でその正しさを確認できることです。私が投資にはまったのは20年以上も前のことですが、海外の金融機関に口座を開いて新興国の株式や債券を購入してみただけでなく、シカゴの先物市場でS&P500の先物やオプションなどのデリバティブ取引までやってみました。