未成年者でも盗撮、ネットへの流出は逮捕される

撮影罪は刑が重い犯罪です。盗撮した場合、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」に処せられます。それをネットに流すと「5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金、又は併科(拘禁刑と罰金の両方)」です。当然、未成年者であっても逮捕される場合はあります。14歳以上であれば、少年審判を受けたり、悪質な場合は大人と同様の刑事裁判の被告人として裁かれることになります。

盗撮行為に悪気はない一方で、被害結果はとてつもなく重大です。盗撮は、単に更衣室で着替えている場面や風呂場をのぞいた、ということにとどまりません。もちろん、そのこと自体も悪質で被害者を傷つける行為ですが、撮影されて画像や動画に残るという恐怖は、単なるのぞきと比べものになりません。

大人の盗撮犯の場合、「撮影することにスリルを感じる」というタイプの人が一定数いて、そのような人は、盗撮に成功するとすぐに削除してしまうそうです。家族や会社にバレると大変なので、盗撮していることは誰にも言っていない、ということも多いです。

「見せびらかしたい」からどんどん拡散していく

しかし、未成年者や大学生は違います。特に年齢が低いほど「誰かに見せびらかしたい」という気持ちが大きいのです。だから、すぐに友達に拡散します。拡散された人もまた誰かに拡散します。その結果、発覚した時は、相当拡散しているというリスクがとても高く、そうなると削除も難しくなります。

学校で友達とスマホを見ている女子生徒
写真=iStock.com/ferrantraite
※写真はイメージです

盗撮被害に遭うと、被害者は日常生活を送ることが困難になります。まず、いつ盗撮されていたのか自覚がないので、いつでもどこでも盗撮されているかもしれない、という不安に苛まれます。家から出られなくなる人もいます。画像が流出しているかもしれないと不安になり、ネットで自分の画像を検索し続ける毎日を送る人もいます。世界中に自分の裸を見られたと感じ、髪型や洋服の趣味を変え、時には整形したりして別人になって生きようとする人もいます。

特に学校関係の場合、加害者と被害者が身近な関係にあります。「たくさんの同級生や先輩が私の裸を見たかもしれない」という気持ちから、学校に行くこと自体が苦痛になることは当然です。