「24時間テレビ」は本当に役割を終えたのか
相対的にテレビ全体の視聴率は下がっているし、いまや世帯視聴率だけで語るのはナンセンスではあるが、とはいっても近年の「24時間テレビ」の視聴率が低下傾向にあるのは事実だろう。つぶさに見ていくと変わってきている部分もあるが、全体的には障害者を画一的なイメージで取り上げる「感動ポルノ」と捉えられるのも否定できない。もはや、「24時間テレビ」は役割を終えた。そんな声があふれるのも無理はない。
しかし、都築がもっとも大事にしてきた「問題の存在自体を広く知ってもらうこと」が成されているかと問われれば、まだまだ「NO」と言わざるを得ない。何しろ、民放のテレビ番組でドキュメンタリーを除けば、障害者が登場することはほとんどなく、いまだ“見えない存在”に追いやられてしまっている。そうした問題を、若い人たちに人気のある人たちを通して、若年層に知ってもらいたいという強い意思は一貫している。
「テレビにできることは何でしょう」という問いかけで始まり「愛は地球を救う」と宣言したこの番組が、改めて「愛は地球を救うのか?」と問いかけようとしている。これまで「24時間テレビ」のターニングポイントになった回は、いずれも“原点”に立ち返り、形骸化したものを大胆に変えたときだった。ならば、原点を見つめ直して変わらざるを得ない今年の「24時間テレビ」が、大きなターニングポイントになるに違いない。