騰落率2位の群馬県は転入者が増えている

騰落率の2位は群馬県、3位が新潟県で、100%前後の上昇率であり、10年で資産価値が2倍になったことになる。

どちらも首都圏から近く、新幹線で東京とつながっていて、交通アクセスに恵まれているにもかかわらず、70平方メートル換算のマンション価格は1000万円台の前半と、東京からみるとほとんど信じられないような価格帯となっている。

群馬県の高崎は、上越新幹線の「とき」を利用すれば45分から55分程度で、新潟は2時間程度。毎日の通勤ではなく、月1回、2回程度の通勤であれば、十分可能だろう。最近は、在宅勤務を前提に新幹線通勤費を支給する会社も増えているので、移住先やワーケーション先として注目しておいていいだろう。

実際、総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告2023年結果」によると、群馬県は転入者数が2022年の3万6452人から2023年は3万7100人に、648人増えている。

648人といえば、たいした数字ではないと感じるかもしれないが、首都圏や近畿圏などの大都市部を除くと、転入者数がプラスになっている県はほとんどない。大都市圏以外では、沖縄県の1232人に次いで2番目に多くなっているほどだ。

日暮れに染まる高崎市内
写真=iStock.com/NicolasMcComber
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移住先としても人気が高い群馬県

そんなこともあって、群馬県の移住先としての人気が高まっている。インターネット専業メディアのアイティメディアが運営する「ねとらぼ調査隊」が実施した「40代が選ぶ移住したい関東甲信地方の都道府県」によると、群馬県が茨城県に次ぐ2位となっている。

群馬県の北部と西部には山地があるものの、南部には豊かな平野が広がっている。海はないけれど、山や温泉などの自然に恵まれている。しかも、首都圏に近いながら物価が安いのも魅力。2022年の消費者物価指数は、全国2位の安さだった。

住まいがリーズナブルな価格帯で手に入り、生活費が安くつくのだから、住まう上でのメリットはたいへん大きい。それでいて、現在の価格水準が低い分、将来的な資産価値の上昇余地は大きいのではないだろうか。