衆参ダブル選挙という「戦略提案」

中曽根康弘元首相。1918(大正7)年生まれ。主将在任は、82(昭和57)〜87(昭和62)年。(撮影=市来朋久)

日本の政治との最初の接点はマッキンゼー時代の1980年代半ば。中曽根康弘首相に自民党の戦い方を提案したことだった。

1983年の総選挙では、ロッキード事件で逮捕された田中角栄元首相が一審で有罪判決を受けたことから政治倫理が大きな争点となり、自民党は単独過半数を割る敗北を喫した。自身三期目、しかも自民党単独政権を目指す中曽根首相としては、次期総選挙での必勝を期していた。しかし事前の票読みでは形勢不利で惨敗の可能性すらあった。