リスクは1秒でも早く開示する

「忘れていました」が言えなくて逮捕された旅行会社のサラリーマンがいました。

彼は高校の遠足で使うバスの入札に勝利したにもかかわらず、肝心のバスの手配をし忘れ、あろうことかそれを誰にも相談せずにミスを隠蔽。そして自ら生徒を装い、「遠足を中止にしなければ自殺する」という主旨の手紙を高校に届け、結果、逮捕されました。

自分ならこんな馬鹿なことはしないと思うかもしれませんが、リスクはあなたの周りにも潜んでいます。

発注忘れはもちろん、誤植・注文数の間違い・メールの誤送信・書類の紛失・取引先からのクレームなど、指摘されると自分の周りはリスクで溢れかえっていることに驚くと思います。

だからこそリスクを抱えた際は1秒でも早く開示し、会社や組織などのチームで対応するのが正解です。

「三人寄れば文殊もんじゅの知恵」ということわざがあります。

文殊とは知恵をつかさどる菩薩様のこと。このことわざの通り、たとえ凡人であっても三人集まればリスクやトラブルを解決するよいアイデアが湧いてくるものです。

冒頭の逮捕されたサラリーマンも早く上司に相談していれば、きっと違う結果になっていたはずです。

リスクの開示&相談は、ビジネスパーソンの基本です。

ドミノを止める男の手
写真=iStock.com/baona
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リモート会議は冒頭で「相手のメリット」を話す

「リモート会議は内職の温床。話をきちんと聞いているとは限らない」

ファシリテーション上手のコンサルタントが教えてくれた言葉です。

彼女曰く、リモート会議は相手から見えないためマルチタスクを行う人が多数存在している。人によってはパソコン以外にもスマホで別の会議に入り、同時に2つの会議に出席する猛者もいるとのこと。あなた自身もなるほどと思うふしがあると思います。そこでおすすめしたいのが「リモート会議の冒頭は相手のメリットから話す」という方法です。

人は損を嫌う習性を持っています。だからこそ冒頭で自分のメリットの話をされると、聞き逃せないと思い、きちんと会議に出席してくれるようになります。

やり方は簡単。会議の冒頭で「この会議のゴールは○○を決めることです」と宣言するだけ。

○○には、売上会議であれば「予算達成の糸口」、企画会議であれば「プレゼンに勝つ方策」などの相手のメリットになる文言を入れてください。

メリットから話すことで参加者の意識が活発化し、損をしないためにきちんと会議に出席してくれるようになります。

「花より団子」ということわざがあるように、リモート会議は形式よりも、メリットという実利から入るのが正解なのです。