自分で考えて判断していこう

もうひとつは、日本の教育は先生や社会が「正解」とするものを受け入れる方向で進んできたということです。世の中の出来事に唯一の「正解」はありません。ただ、日本の教育では前提を疑い、自分の頭で考えて判断することが、必ずしもよいとはされてきませんでした。

安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)
安藤真由美『お金の知識があるだけで あなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)

管理する側にとって、都合のいい社会が形成されてきたのです。

私たちは成長する過程で、疑問や意見を許さない空気感に包まれてきたと言っても過言ではないでしょう。

経済協力開発機構(OECD)が実施する国際教員指導環境調査(TALIS)によると、日本の小中学校の教員が生徒に対して「批判的に考える必要がある課題を与える」機会は、世界のなかでも圧倒的に少ないです。日本の義務教育が生徒に対して、批判的に考えるクリティカル・シンキングを教えたり、正解のない問いに向き合うことを軽視してきたことが分かります。

「正解」を暗記することで評価され続ければ、思考停止に陥ります。

世の中の「正解」だけを信じて生きる方法は、「他人軸」の生き方ともいえます。

こうなると、自分のありたい姿と現在のお金とのつきあい方が一致しないこともしかたありません。さまざまな情報を吟味し、しっかり考えたうえで、自分のありたい姿(=「自分軸」の生き方)を見つけ、そしてお金とのつきあい方と一致させていきましょう。

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