歪みをリセットする3つのケア方法

ここでは、3つの眼圧リセットマッサージをご紹介します。頭蓋骨を元に戻すと聞くと痛そうですが、心配無用です。手のひらで優しく、気持ちよさを感じる力加減で行いましょう。あくまで頭をほぐすもので、目に触れることはないため、誤って目を傷つける心配もありません。

一つのマッサージにつき、時間の目安は約1分。立った姿勢でも座った姿勢でもできます。仕事中やお昼休みなど、目の疲れを感じたときにスキマ時間を使って行うだけでも、効果があります。もし決まったタイミングで行うなら、夜をおすすめします。一日の疲れで凝り固まった頭をほぐしてから寝れば、目のコンディションが整った状態で起きることができます。

1つ目は、後頭部と首の後ろにある後頭下筋群をゆるめるマッサージです。後頭下筋群は太い4本の筋肉でできています。眼筋にもつながっているこれらの筋肉は、非常に凝りやすいのです。首の角度を10度下に傾け、10分も経てばすぐに凝り始めます。スマホを操作していれば、あっという間です。そのため視線を下げてパソコンやスマホを見る機会が多い人にとっては、最も効果を感じられるマッサージかもしれません。

後頭下筋群は範囲が広いため、指で探り当てるのは簡単です。頭を前に倒すように下を向き、頭蓋骨と筋肉の境目あたりと、その下部に広がる筋肉を親指で上下にゆすりましょう。場所を変えながら、30秒から1分くらいかけてほぐします。

続いて2つ目と3つ目のマッサージは、頭蓋骨を上に持ち上げるイメージで行います。

2つ目は側頭部のリフトアップです。目の横に手のひらをあて、指は頭に沿うように添えます。骨の両側に圧をかけながら、上に引き上げて10秒。その状態から口を思いっきり開け、さらに10秒キープ。これを数回繰り返します。顎まわりの靭帯がゆるんで、頭もすっきりと軽くなるような感覚が得られるはずです。

3つ目、前頭部のリフトアップは、眉間に手のひらをあてておでこを上に押し上げるマッサージです。下がりがちな前頭骨を元に戻し、眼窩を押し広げる効果があります。このとき、机や太ももなどを利用して、押し上げる手の肘を支えてあげると圧をかけやすくなります。さらに、眉間にあてる手と反対の手で後頭骨を前方に押すとさらに効率よく加圧できます。

【図表】1分で疲れ目に効く3つのマッサージ

どのマッサージも、全力で行うと腕の筋肉に負担がかかるので、八分目の力でOK。無理に力を込める必要はなく、弱い力でも効果は得られます。ただし、その場合は、圧をかける時間を長くしましょう。押し続けることで、持続圧という圧力が働き、押した方向に筋肉や骨が動いてくれるからです。

また、最大限の効果を得るためには、全身を脱力させた状態で行うのがベスト。お風呂に浸かりながら行うと、血行がよい状態で揉みほぐすことができ、効果アップが期待できます。

「大股で早歩き」が目にいいワケ

眼圧リセットのマッサージは1セット行うだけでも効果を得られます。ただし、そのまま元の生活を続けていくと、また頭蓋骨は歪みます。不調の予防・改善のために大切なのは、根本の原因を正すこと。根本の原因とは、体の歪みのことです。日常生活の中で姿勢や動作にくせがあると、体の左右どちらかのコリが大きくなり、体全体の歪みとなってさまざまな不調をもたらします。

特に重要なのが、骨盤です。専門的な話になってしまいますが、骨盤を安定させる役割を担う「仙腸関節」が重要で、この仙腸関節がねじれると、骨盤全体の歪みや背骨の歪みを招きます。さらに、骨盤が歪んでいると、全身の筋肉や靭帯が凝ることで頭蓋骨も下に引っ張られ、頭の歪みに発展します。姿勢の悪さが巡り巡って、目の不調につながるのです。

反対に、立ち姿勢や歩き方、座り方など、普段の生活で正しい体の動かし方を身につければ、自然と歪みは解消され、目にも優しい体を手に入れることができます。

まずは立ち姿勢から変えましょう。立っているとき、左右均等に体重を乗せることができる人はほとんどいません。そこで、コツはお尻を締めること。かかとを合わせて脱力した状態から、お尻をぎゅっと締めることで、背筋が自然に伸び、骨盤を正しい位置に整えられます。脱力の感覚がわからない場合は、トントンとリズムを刻むように肩の上げ下げを繰り返してから力を抜くと、上手に脱力できます。

歩くときには、大股での早歩きを心がけましょう。理由は単純で、歩き方の悪いくせを封じるためです。大股で早く歩こうとすると、自然と足をまっすぐ出すことができます。