目の不調の原因は「骨」にあった

では、なぜ骨格矯正マッサージで眼圧を下げて視力を上げることができるのでしょうか。その秘密は頭蓋骨にあります。頭蓋骨の歪みをマッサージによって矯正することで、眼球を収めている眼窩が広がり、眼圧の異常を元に戻して整えることができます。同時に、目のまわりの筋肉群がゆるむことで、圧迫されていた眼球が元の丸い形に戻り、あなたの本来の視力を発揮できるようになるのです。

【図表】骨格の歪みを直せば目はよくなる!

頭蓋骨は一枚岩のヘルメットではなく、合計28個の骨が重なり合って構成されている、大陸プレートのようなものです。頭蓋骨は、おでこの部分に位置する前頭骨や、耳の周りにある側頭骨などに分かれ、細かい靭帯によってつながれています。この靭帯や頭蓋骨まわりの筋肉がこわばると、骨が引っ張られ、それぞれ本来あるべき位置からずれていきます。その結果として眼窩が狭まり、眼圧の上昇や血行不良など目の不調を招く可能性が高まるのです。

後ほど説明しますが、頭の靭帯や筋肉がこわばるのはおもに姿勢の悪さが原因です。年齢にはあまり関係がありません。骨が歪んでいる若い人はいくらでもいます。

頭蓋骨の歪みがもたらす問題は、眼窩が狭くなることだけではありません。首の後ろには後頭下筋群こうとうかきんぐんという、眼球運動にも関わる筋肉の集合体があります。頭蓋骨が歪むと後頭下筋群のコリにもつながり、眼精疲労や目のかすみももたらします。さらに歪みがひどくなると、目だけではなく、鼻や耳、顎にも悪影響をもたらし、鼻炎や顎関節症がくかんせつしょう、突発性難聴の間接的な原因になる可能性もあります。

ちなみに、頭蓋骨が歪んでいると、見た目もよくありません。いわゆる「老け顔」になりやすいのです。徹夜明けで目の周りにクマができるのも、全身の疲労によって頭蓋骨まわりの筋肉がカチカチにこわばることが原因です。眼窩がくぼみ、血流が悪くなっているのです。

【図表】眼圧を下げておけば失明のリスクは下がる