「他人からよく思われよう」と考えないことが大切

我慢して自分を押し殺しながら生きるより、わがままに生きたほうがいいに決まっています。もちろん、法律を破ったり他人に迷惑をかけたりするのはいけません。しかし、普通の社会性と常識の範囲であれば、自分の気力、体力、財力、家族との関係を考慮しながら、できるかぎり自分のやりたいこと、楽しいことをやるべきです。

池田清彦氏
池田 清彦
生物学者、理学博士

1947年、東京生まれ。早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授。専門の生物学のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野に関する100冊以上の著書を持つ。

わがままという言葉はネガティブに受け止められやすいですが、必ずしも悪いものではありません。なぜなら、わがままであるためには自立心が必要だからです。そのうえに自分に矜持を持っていて、自己決定権を備えている人だけが、わがままな言動ができます。つまり、わがままでないことは主体性がないことの表れでもあるのです。