街頭演説に行ってみた!

すると、やはりというべきか小池氏が登場すると(いやその前から)聴衆からはヤジが飛んでいた。『ヤジと民主主義』という映画もあるように聴衆のヤジも現場によってはあるだろう。小池氏の「混沌と騒然」を確かに見られたのである。

しかし予想外のこともあった。聴衆だけではなく、なんと候補者からもヤジ、いや、罵声が飛んだのである。

どういうことか?

他の陣営が乙武氏陣営の街宣カーのすぐ隣につけていたのだ。そして拡声器を使って「演説」していた。しまいには乙武氏や小池氏の目の前までいったり、電話ボックスにのぼって「演説」していた。かなりの大音量なので乙武氏や小池氏の演説がよく聞こえない。

今まで街頭演説の場はマナーというか「そういうことはしないよね」という前提で成り立っていたのが、そうではなくなっていた。私は選挙カーが別の陣営とすれ違うときに「○○候補のご健闘をお祈りします」とエールを送ることが「わざとらしいけど大切」だと思っていたが、そういうマナーが無視されてしまったら……。この日の乙武氏陣営は次の街宣スケジュールを公表していなかった。せっかくの街頭演説なのに。

私は一緒にこの光景を見ていたラッパーのダースレイダーと「今後の選挙現場に影響を及ぼさないか? 民主主義にとって深刻な課題になるかもしれない」と語り合った。一方でこの日の凄まじい光景はテレビではあまり報道されないだろう。なので現場に来て良かったと思った。選挙戦を語るうえで大事なテーマに気づけたからだ(このコラムもそう)。

小池氏の対応は…

さて、そうしたなか小池氏を見ていたら凄かったのだ。他陣営の「演説」には目もくれず、何事もないように笑顔で悠然と手を振っていた。平然と演説していた。さらに演説の終盤には中東情勢の解説をし始めたのだ! ふわっとした解説に思えたが「カイロ大卒」をアピールしているように思えた。本当にいいものを見た。やはり現場に来て良かった。あえてこういう表現をさせてもらうと、小池百合子はとんでもないタマだと痛感した。

今回の告発や今後の政治活動など小池氏をめぐる「騒然」はどうなるのか? 演説現場のように何事もないように笑顔で悠然といくのか。注目せざるを得ないのである。

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