誰に借りを作ったか?
たとえば「週刊文春」(4月25日号)には「疑惑のカイロ大声明」によって再選を果たした小池氏は「二期目に入るやエジプト関連予算を一気に増額させている」と振り返っている。このバラマキにはどんな意味があるのか。都民としては考えてしまう。
さらに小島氏の告発に戻すと、4年前の学歴詐称問題における都議会対策で、
《自民党の二階さんや都連には大きな借りができた。その結果、自民党寄りに変節していったのでしょう。》
と述べている。火消しを自民重鎮らに頼ることで「借り」をつくったことが政治にも影響していることになる。さらに、自分の秘密を守るために権力を保ち続ける必要も出てきた可能性もある。
《それゆえ、小池さんは、都議会多数派と足並みをそろえ、都庁官僚の支持を得て、権力を持ち続けること自体が最優先になっています。》
そういえば先日「7億円の都庁プロジェクションマッピング」は税金の無駄遣いではないかとSNSなどで批判されたが、あれも都庁官僚の言うままと考えればなるほどと思えてくる。
「思いつきで言ったのです」
まだある。小池氏は少子化対策として2023年1月4日の年始挨拶で突然「子ども手当をひとり一律5000円支給する」と宣言したが、あれは、
《その日の午後に岸田文雄総理が行うスピーチで「異次元の少子化対策」について語るとの情報を掴んだからです。「総理よりも目立ちたい」という欲望から、何の熟慮もなく、思いつきで言ったのです。》
こう考えると小池氏は自身の権力を保つために動き、ウケると感じれば思いつきで政策に取り入れている姿が見えてくる(皮肉なことに声明文を作成したという過程にそっくりである)。野心家の政治家を見物するには興味深い話だが、しかし税金の使われ方という点を考えると大きな問題ではないか?
さて、そんな混沌とした状況の小池百合子氏を私は見に行くことにした。先週火曜の午前11時。亀戸駅前に向かった。衆院東京15区補選の告示日だ。出馬する乙武洋匡氏陣営の第一声の場に小池氏も応援で登場するという。
どんな聴衆がいて、どんな雰囲気なのか?