怒りの感情は悪ではない

じっとしていると、余計に自分の感情を手放せなくなるものです。

意識的にでも別の行動をとることで、自然と怒りモードのスイッチがオフになります。外に出て散歩をしてもいいですし、洗濯や掃除をするなど、少し体を動かせることなら何でもかまいません。

実際、体を動かすと内臓や血管の働きがよくなり、達成感が湧くとともに「エンドルフィン」という脳内物質が放出されて快感を生じ、体のストレス反応が抑えられることも示されています。

前田祐樹『ひとりでできる心ほぐし』(マイナビ出版)
前田祐樹『ひとりでできる心ほぐし』(マイナビ出版)

ふとした瞬間に怒りが再燃することもあるでしょうが、最初の怒りのレベルからは数段下がっているものです。ぜひ、試してみてください。

一般的に怒りはネガティブな感情と敬遠しがちですが、怒りの感情を持つことは、悪いことではありません。人間である以上、喜怒哀楽はあって当然です。

ただ、暴走する感情に任せて怒っている状態から一歩抜け出せたら、何に対して怒っているのか、感情の底にあるものを見つめてみましょう。

怒りの背景で、自分が相手に対して“勝手に何かを期待していた”ことに気づくかもしれません。「相手が悪い」という思考停止の状態から、自分自身の問題として捉え直すことで心がほぐれることもありますよ。

<心の処方箋>
怒りっぽいときは心が疲れているサイン。
怒りが収まらないときは別の行動をとってモードをチェンジ!
「なぜ(靴下が)片方だけ落ちている!?」と怒る女性のイラスト
前田祐樹『ひとりでできる心ほぐし』(マイナビ出版)よりイラスト

イライラするときはベルガモットの香りを

お香やアロマなど好きな香りを楽しむ自律神経のバランスを調整するのに、香りの効能を活用することもできます。

イライラするときには、ベルガモットなど柑橘かんきつ系の香りを嗅ぐと落ち着きやすいです。安眠へと導きやすいのはラベンダー。眠りの質が悪いときには、スイートマジョラムもよいでしょう。

アロマポッドを利用してもよいですし、ティッシュにアロマオイルを数滴垂らして寝室に置いてもOK。ただし、香りに敏感な人は無理しないでください。

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