50枚1000円で買うことができる

5人の中で最もうれしい顧客は、「①海苔星人」になります。

海苔は安い店であれば、「全型」と呼ばれる縦21センチ、横19センチのものが、50枚1000円で買うことができます。トッピングのサイズにカットすると、全型1枚から4枚の海苔を作成できますので、トッピング1枚当たりのコストは5円です。100円のトッピングとして3枚1組で販売すると、100円の売上に対し、かかる原価は15円です。

また、準備の手間も海苔をカットするだけなのでほぼかかりません。

注文が入れば入るほど、原価率は15%に近くなっていきます。「①海苔星人」が大量に来店すれば、店の利益率は改善します。

一方、「③ネギ魔人」が大勢でやってきてしまうと、店の利益を圧迫する結果になるでしょう。

焼肉店で最も利益率が高いのはウーロン茶

このように、飲食店の原価率は一律ではなく、メニューごとに変わってきます。

注文してくれれば儲けが多いものもあれば、中には赤字で提供しているメニューもあるでしょう。

例えば、焼肉店で最も利益率が高いのはウーロン茶だと言われます。

グラスに入ったお茶
写真=iStock.com/yankane
焼肉店で最も利益率が高いのはウーロン茶(※写真はイメージです)

こだわったウーロン茶を提供している場合は別ですが、ペットボトルのウーロン茶を提供するなら、グラス1杯あたりの原価率は20円程度です。販売価格は400~500円程度が一般的ですから、原価率は驚異の5%以下になります。

なかなかいないでしょうが、もしウーロン茶を大量に飲んでくれるお客さんが来たら、店にとってはとてもうれしい日になります。