宮内庁は、昨年4月に広報室を設置、今年4月にはインスタグラムを使った情報発信を開始した。武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「天皇家の長女、愛子さまに関する記事が好意的に受け止められているのに対し、SNSなどでは、秋篠宮家についての記事は相変わらず否定的なコメントが多い。秋篠宮家ももっと、等身大の姿が見える情報発信をした方がよいのではないか」という――。
愛子さま関連の記事とは対照的
宮内庁に昨年4月、広報室が新設された。秋篠宮家長女の小室眞子さんの結婚をめぐってバッシングが起こったことをきっかけに、それまでのメディア対応中心の広報から、情報発信の強化にも力を入れる方針に転換したようだ。
秋篠宮家のイメージアップを意識している様子もあるが、SNSなどを見ていると、相変わらず批判的な声は多い。大学を卒業され、本格的に公務を始められて一挙手一投足が報道され、好意的に受け止められている愛子さま関連の記事と、あまりに対照的である。
話題になった「紀子さまの手作りのお弁当」の記事
最近では「悠仁さまのお弁当は紀子さまの手作り『大根の葉もおかずに』」(2024年3月16日、AERA dot.)という記事が話題になった。これを読んだときには、「いやいや、以前会見で、お弁当を作っていると話された紀子さまに、秋篠宮が割って入って、『あなた、(作ってもらったおかずを)詰めるだけじゃないの』と発言されたよなぁ」という映像を思い出してしまった。
秋篠宮家に好意的な、優等生的で完璧な姿を映し出すような内容の記事は、たしかに平成の時代にはよくみられたが、今ではむしろ、逆効果になるように感じられる。特にこの記事については、過去の発言との齟齬もあるので、なんとなく「わざとらしい」と感じられて、鼻白んでしまうのではないだろうか。
また、子育てや公務にお忙しい紀子さまが、毎朝お弁当まで作られるのは、実際には大変であり非現実的であると思われるし、まさか好物でもないかぎり、大根の葉の炒め物を皇族が食べていらっしゃるとはなかなか信じがたい。
そこまで国民に懸命に寄り添おうとされている努力がむしろ、痛ましく感じられてしまう。