毎日元気に過ごすには何をすればいいか。順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは「ホルモンの分泌を正しく促し、自律神経を整え、免疫機能を正常に保つ『時計遺伝子』を正しく働かせるためには、『太陽の光』と『朝食』が鍵となる。自律神経を整えるためには、朝食だけでなく、昼食、夕食もバランスを考えてとる必要がある。ヨーロッパの格言にある『朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者のように食べよ』という言葉は、食事のバランスとしては理にかなっている」という――。

※本稿は、小林弘幸、毛利啓銘『自律神経を整えれば「食いしばり・歯ぎしり」は解決する』(宝島社)の一部を再編集したものです。

朝食を食べる人
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです

朝起きて「水を飲む」と、副交感神経の働きが高まる

気持ちよく一日のスタートを切るためには、朝の時間の使い方が重要になります。自律神経に良い毎朝のルーティーンをご紹介するので、参考にしてみてください。

朝起きたら軽くうがいをし、その後にコップ1杯の常温の水を飲むようにしましょう。冷たい水でも問題ありませんが、常温や白湯さゆにすると体も温まります。

人間の体の約60%は水分でできています。水は生命を維持するのに欠かせないものであると同時に、自律神経のバランスにも深くかかわっています。「水を飲む」という行為が、胃腸の神経を適度に刺激し、副交感神経の働きを高めるのです。

朝、水を飲むときのポイントは、「一気に」飲むことです。勢いよく飲んだほうが腸への刺激が起こりやすくなり、腸のぜんどう運動のスイッチが入ります。これを「胃結腸反射」といいます。

ぜんどう運動が活発になると、スムーズな排便につながります。朝だけでなく、1日1.5~2Lの水をこまめに飲むのも、自律神経にとって良い習慣です。

また、朝起きてから意識したいのは、カーテンを開けて、太陽を浴びることです。朝、しっかり太陽の光を浴びなければ、副交感神経と交感神経の切り替えがスムーズにいかず、自律神経のバランスが整いません。

幸せホルモンであるセロトニンの分泌や、ずれてしまった体内時計を調節するためにも、太陽を浴びることを意識してください。