自覚的な痛みにプラセボが効く
気象病には、標準的な治療はありません。気象病のやっかいなところは、天候の変化は避けようがないことです。仕事をしていない大金持ちなら気候のよい場所に移動したり、引っ越したりするという手段が取れますが、ほとんどの人にとっては不可能なことです。実際には、複数の対症療法を組み合わせることが推奨されています。
関節リウマチや片頭痛といった病名がついているなら、その病気に対する治療を行います。また痛みに対しては、一般的な鎮痛薬も一定の効果はあるでしょう。身体活動も有効だとされています。雨が降ったからといって家の中にこもってじっと座っていたのではよくなるものもよくなりません。
日本では、気象病に対して漢方薬や内耳性めまいに対する薬が使用されることもあります。厳密な臨床試験で効果が証明されているわけではありませんが、経験的には効いたとする報告はあります。痛みをはじめとした自覚的な不調にはプラセボ効果が効きやすいので、安価で副作用が小さい薬を利用するのはよい手段です。なにぶん個人差が大きいので、それぞれにいろいろ試して効果的なものを選ぶといいでしょう。プラセボ効果であろうとなかろうと、症状が軽減されればよいのです。