「離檀料」には明確な基準がない
【事例1】菩提寺があとから文書で離檀料30万円を要求してきてトラブルに
最初に紹介するのは、墓じまいをしようとしたところ、菩提寺から高額な離檀料を請求されたという40歳代の男性からの相談です。
男性は家族が亡くなった際、「先祖の墓が自宅から遠いので、墓じまいをしたい」と住職に申し出ました。離檀料が必要だろうと思い聞いてみましたが、具体的な金額は言われませんでした。ところが、後日、お寺から離檀料30万円を要求する文書が届きました。高額で納得できないと、消費生活センターに相談がありました。(2023年8月相談受付)
本来は、お布施をお寺から要求することは有り得ないのですが、いろいろな事情があるのでしょう。檀家をやめるときに寺へのお礼として慣習的に支払う、いわゆる離檀料を要求されたという相談は多くみられます。
支払いの義務はありませんが、改葬や墓じまいには菩提寺の許可が必要なので、こじれてしまうとやっかいです。離檀料には明確な基準がありません。金額に納得がいかない場合は、基本的にはお寺と話し合うことになります。
「墓石の撤去」で石材店とトラブルに
【事例2】石材店から110万と聞いていた墓石の撤去工事。あとから125万円の請求が
改葬や墓じまいをする際、墓石の撤去が必要になることがほとんどです。お墓のお引っ越し・改葬をする場合でも、改葬先となる墓地が新しい墓石を建てることを条件にしていることが少なくないうえに、運搬する方が高くつくこともあるため、古い墓石は処分するケースが多数です。
ここで起きうるのが石材店とのトラブルです。80歳代の女性からあった相談を紹介しましょう。
墓地が指定する業者が墓石の撤去をすることになっていました。事前の説明では110万円と聞いていましたが、「基礎が思ったよりも頑丈で人手が必要だったから」と工事が終わってから言われ、およそ125万円を請求されました。(2024年1月相談受付)
墓石の撤去には改葬元の許可が必要で、公営墓地以外では提携先の石材店があることが一般的です。不信感を持ったからといって別の事業者に依頼できないこともあります。事前に細かく見積もりを取るなど、きっちりとした確認を取ることを心がけたいものです。