ママ友からのLINEがピタッと止まった
「引越しが落ち着いて、仲が良いママ友同士のLINEグループで『ついにマイホーム買ったよー!』と報告したことがあったんです。みんな喜んでくれて、どこに建てたとかどんな間取りだとか質問攻めに遭うなかで、『平屋にしたんだ!』と言った途端にLINEがピタッと止まってしまって。既読はついているのに、誰も反応してくれないんです。
そのあとすぐに子どもの話題に変わったので、私のマイホームの話はそこで終わったんですけど……。これまでママ友内でマイホーム報告があったときには必ず、『みんなで遊びに行こう!』という流れになっていたので、結局、誰からも家に遊びに行きたいと言われなかったことが、すごく心に引っかかりました」
そんなママ友たちの「沈黙の謎」が解けたのが、みゆきさんの両親にマイホーム報告をした時だった。
「平屋=おしゃれ」のイメージが広がりつつある一方で…
「両親には家が完成してから電話で報告したのですが、喜んでくれると思いきや、『まさか平屋だとは思わなかった』と。あからさまに声のトーンが心配している感じなんです。『大変だったら、遠慮しないで頼っていいんだからね』と今まで言われたこともない言葉までかけられて、ビックリしてしまいました。
『どういう意味?』と聞いたら、どうやら両親は平屋=お金に余裕がないんじゃないか、と思い込んでいたようです。『まだ若いのにわざわざ新築で注文住宅の平屋を建てるなんて、信じられない』と言われました」
みゆきさんの両親は、平屋にプレハブのようなイメージをもっていたようだ。
「もしかするとママ友たちにとっても平屋のイメージが決して良いものではなかったのかも。だからLINEで反応がなかったのかもしれません」
平屋=おしゃれで今どきの住宅、というイメージが若い世代に広がりつつある一方で、まだまだ平屋といえば「昔ながらの古い住まい」という印象を持つ人もいる。平屋のイメージは世代や地域などによって違いがあるようだ。
「それなりに高い金額を出して、しかも平屋のために通勤に不便な土地に引っ越しまでしたのに、周囲からは家計の心配までされてしまうなんて……。予想外の事態に、ショックでした。今は憧れだった平屋暮らしも全然キラキラしているように感じられなくなって、本音を言えば都内に戻りたいです。子どもが家を気に入ってくれていることだけが、せめてもの救いですね」