夫を説得して35年ローンで建てたが…実際に住んで分かった「平屋住宅ぐらし」のリアル《両親、ママ友は“予想外の反応”》(清談社)
ここ数年、若い世代を中心に「おしゃれ」「住みやすそう」と人気を集めているのが「平屋住宅」だ。ワンフロアで間取りの自由度も高いため、家事や子育て面での暮らしやすさに魅力を感じる人が増えているという。しかし一方で、平屋に住んだ結果、大きな後悔を抱えている人もいるようだ。平屋暮らしの知られざる実態を紹介する。
◆ ◆ ◆
「平屋は理想的な住まい!」難色を示していた夫を説得して
マイホームとして、平屋住宅(以降、平屋)が注目され始めている。国土交通省の調査によると平屋の着工棟数は年々増加しており、2021年には新たに約5万5000棟の平屋が建設された。約2万8000棟だった11年と比較すると、10年間で約2倍に増えたことになる。
また新築戸建て全体に占める平屋の割合は19年に初めて10%を超えた。建築系の雑誌やムックでも「平屋特集」を目にする機会は増え、かつては「昔ながらの古い家」「老後の住まい」という印象が強かった平屋が、「オシャレで暮らしやすそう」と若い世代にも人気を博しているのだ。
おととし、35年のペアローン(※一つの物件に対し夫婦二人でそれぞれ住宅ローンを借り、お互いのローンを連帯保証する借り方)で郊外に平屋を建てた丸山みゆきさん(仮名・39歳)もその1人。4歳ともうすぐ3歳になる2人の子を持つみゆきさんにとって、平屋は理想の家だったという。
「小さい子どもがいると、階段のある家は危険が多くて目が離せないですし、どうしても不安で。かといってマンションも子どもたちの声や足音で隣人に迷惑をかけてしまうかもと、あまり気乗りしませんでした。それをどちらもクリアできるという点で、平屋は本当に理想的な住まいだったんです」