家事効率を高め、子育てしやすい住空間に

×歯磨きや朝の準備時に親のサポートが大変

1つ目は朝の出宅動線です。朝食後に歯を磨き2階のクローゼットで着替え、1階に下りて出宅となりますが、かなり長い動線となり子供のサポートを考えると面倒です。

2つ目は帰宅動線が脱衣室を通ることです。他の家族が利用中は使えないですね。

3つ目は、リビング経由の帰宅動線。将来、寝室にする予定なのでこちらもNGです。

4つ目は、ダイニングの狭さです。面積だけなら階段を除き6帖ありますが、北側に動線(70cm)があるためダイニングテーブルと椅子を置ける幅は190cmしかありません。また食事中に家族でテレビを見ることができません。子供の勉強道具も置けないですね。

【図表4】よい動線と悪い動線
洗濯や朝の身支度を1階で完結させることで効率の良い間取りに(出所=『この間取り、ここが問題です!』)
船渡亮『この間取り、ここが問題です!』(講談社+α新書)
船渡亮『この間取り、ここが問題です!』(講談社+α新書)

改善提案では、脱衣室東側に2帖のWICを配置しました。これで洗濯や朝の身支度は1階で完結します。階段も北側に移動しダイニングに余裕ができました。

小学生までは、リビングでの勉強が多くなりますが、そこで必要となるのが教科書やランドセル等の収納スペースです。そのため南側に勉強道具の収納スペースを確保しました。

勉強が終わったら広げた勉強道具を近くの収納にしまいやすいので散らかることへのイライラも減ります。リビングは西側に移動して主要な動線から外すことで、将来、寝室として転用しやすくなります。

全体的に、家事効率を重視し、子供をサポートしやすい間取りになりました。

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