体を鍛える仕組みが習慣になっている
仕事をするうえで健康が大切なのは言うまでもないが、実際に健康を維持するための行動に差はあるのだろうか。「体重をコントロールするためのダイエットやカロリー制限を行っている」人が1500万円以上で40.5%、400万円台で26.2%で、「ダイエットやカロリー制限により、体重をコントロールできている」人はそれぞれ33.7%、23.3%と10ポイント以上の差が出ている。ここでも1500万円以上の人のほうが、自分をコントロールしようとする意思が強いといえそうだ。
「ジムでの運動にこだわらず、自宅での筋力トレーニングなど、週のうち決まった日数、体を鍛えることを習慣化している」「出勤時に1駅歩くなど、日常生活で体を鍛える仕組みが習慣になっている」では、「あてはまる」と答えた人が1500万円以上でそれぞれ2.5倍、2倍弱となっており、生活の中へ習慣として組み込む仕組みづくりのうまさが感じられる。
これらの意識は健康だけでなく、「見た目」へのこだわりの差でもあるように思う。程よく筋肉のついた、体脂肪率の低い肉体はカッコいい。カッコよく見せたいという根源的な欲求、外見に対する貪欲な向上心のようなものが、高年収者のほうが強いともいえるのではないか。
何をどう食べるかは、その人の哲学のあらわれである。以前、給食費を払っているのだから、子供に「いただきます」と言わせるのはおかしいとクレームを付ける親がいると聞いたことがある。「いただきます」は本来「命を頂きます」という意である。コンビニでビニール袋に入ったメロンパンを買って、100円玉一つで手軽に500キロカロリー摂取できる時代であるが、食べ物に対する考え方は年収によって差があるのだろうか。
「居酒屋やファストフードであっても、『陶器の器に入った食事』を週のうち、なるべく多くとるよう、意識している」「立ち食い蕎麦のような店であっても『つくっている人の顔が見える食事』を、なるべく多くとるよう意識している」人が1500万円以上では27.2%と22%と8~10ポイントも多くなっている。高年収者のほうが少しでも丁寧に調理されたものを求める意識が強いのは、食が健康と体力に直結する部分であり、それが仕事のパフォーマンスに影響することを理解しているからであろう。