そればかりでなく、「ただ目標を決めるだけでなく、3年以内に実現など、期限を決めている」に「あてはまる」人が1500万円以上で13.6%と400万円台より10ポイント以上も高くなっているように、実際の行動に落とし込むために期限を決めることも重要だ。
長期の目標設定が難しいという人は、まずは自分のやりたいこと、やりたくないことを書き出すことから始める方法もある。「やりたいことリストをつくっている」と回答した人が1500万円以上で60.2%、400万円台で46.3%を占める一方で、「やりたくない、嫌いなことリストをつくっている」人は、それぞれ20.1%、8.4%と大きな差があった。やりたいことが明確でない場合は、やりたくないことの基準を自分の中で整理しておくと、様々な選択の局面で有効な判断基準になる。
「自分が仕事を受けた際、納期を必ず伝えるよう意識している」「その際、具体的な日にちだけでなく『○日の○時』と時間も伝える」人が1500万円以上では、「あてはまる」がともに400万円台の1.7倍以上となっている。このような傾向は、自己を律するというだけでなく、相手の仕事の効率も尊重する姿勢を持っている。
「仕事を頼まれたとき、その時点で、渡された資料などには、ちらっとでも目を通す」に「あてはまる」と答えた人が1500万円以上の人で20%を超えており、かつ400万円台の人より8ポイント以上多くなっている。これは、一見何でもないように思える行為だが、2つの点で注視すべきポイントである。
ひとつは「アウトプットのイメージを共有する」ことが仕事を受ける際には最も重要だという点である。軽く受けたはいいが、納期直前に作業を始めたら、実は相手が何を求めていたか正確に理解していなかったとなると、もう手遅れだ。受けてすぐであれば、確認の猶予がある。
もうひとつは、潜在意識の活用である。たとえば2週間先の納期で、1日で終わるとわかっている仕事があるとしよう。チラッと見て概要を頭に入れておけば、別の仕事をしている間にも脳が潜在的に働いてくれるため、実際に着手したときにはすでに構想は完成していることも多い。仕事ができる人は、そのことを経験的に知っているのであろう。