私が方位学を知るきっかけとなったのは、人生最初の大きな引っ越しでした。1973年3月、生まれ育った鳥取県倉吉市から愛知県瀬戸市へ大学進学のための移転です。

瀬戸市は倉吉市から東30度内の方角です。1973年の年盤は九紫中宮でしたから、二黒土星の私にとって東は本命的殺の凶方位。3月の月盤は四緑中宮で東は本命殺の凶方位でした。方位学を知らなかった私は、年盤、月盤ともに重なる大凶方位へ引っ越してしまったのです。

年盤の東には七赤金星が入っていました。七赤金星は食の星。凶に働くと偏食の傾向が生じます。私にもその傾向が表れました。マーガリンが異常に好きになって毎日大量に食べたり、極端な菜食主義に走ったり、しまいには我流で断食する始末です。そのためすっかり体調を崩してしまいました。

書店で方位学の本を見つけたのはそんなときです。方位の知識に触れ、翌年は東の東京が大吉方位になることを知り、作曲家を目指していた私は、大学を中退して上京することを決意しました。不思議なことに吉方位へ行こうと決めた時期から運が向いてきました。

上京したのは1974年2月です。年盤は八白中宮で、東京は私にとって六白金星の吉方位。月盤も吉方位で東には九紫火星が入っていました。何のコネもなかった私ですが、幸運な偶然が重なって音楽業界に縁ができ、その翌年、新宿音楽祭で新人賞を受賞することができました。東の方位は音楽の象意があります。そして、六白金星と九紫火星は栄誉や脚光などの象意があります。まさに吉方位のバックアップ効果といえるでしょう。

その後、渡米した私は2001年7月に一時帰国して4日ほど東京に滞在しました。年盤の方位は一白水星で普通の方位でしたが、月盤で西に八白土星が入る吉方位を選んでの帰国です。月盤だけでも驚くべきことが起こりました。ヘビースモーカーだった私がいともあっさりタバコをやめることができたのです。西には肺の象意があります。タバコと縁が切れたのは、吉方位で肺が正常の状態に戻ったからだと思います。

私がこれまで多くの人の鑑定をしてわかったことは、方位学を知らずに移動した場合、約4割もの人が凶方位へ行ってしまうという事実です。吉方位を選んだ人はわずか2割です。吉方位が重なる大吉方位を偶然に選ぶ確率となると5%にも満たないでしょう。

運の良い時期は、自然に良い方角に行っているものです。逆に運が落ちると、どんどん悪い方角に引き寄せられていきます。不幸が重なるというのはまさにそういう時期なのです。

方位学の素晴らしさは、運の良い時期にしか行けない大吉方位を事前に調べて、意図的に行けることです。5%の幸運なグループに必ず入るということなのです。

現状を打開したいとき、さらに大きな運を.みたいとき、方位学を利用しない手はありません。運命はいくらでも変えられます。運気を左右するのは結局は自分自身なのです。