ビジネスで行き詰まったとき、どうしたらいいか。エコノミクスデザイン代表の今井誠さんは「経済学を活用すると、突破口が開けることがある。米国企業は20年以上前から経済学をビジネスで活用し始め、大きく成長した。日本企業も経済学を味方につけるべきだ」という――。
※本稿は、今井誠『あの会社はなぜ、経済学を使うのか?』(日経BP)の一部を再編集したものです。
米国企業の強さの一因に「経済学」がある
経済学のビジネス活用で、世界で最も先を行っているのはアメリカです。
Google、Amazonなど名だたる米国企業が、経済学の博士号保持者を積極的に雇用しているという話は、みなさんもどこかで聞いたことがあるかと思います。
それと比べると、日本はかなり後れを取っているといわざるを得ません。どれくらい後れを取っているかというと、アメリカの背中ははるか遠く、ぼんやりとした影すらも見えないくらいだと感じています。
ここ30年の経済力を比べても、コロナ禍の一時期を除いて成長を続けているアメリカに対し、日本は、ほとんど平均賃金が上がっていません。コロナ禍後、株価は順調に復活しているにもかかわらず、国民の実感では停滞の横ばいという体たらくです。
これほどまでに日米で経済力の差が開いている理由は、もちろん1つではないでしょう。ただその中でも、遠因として大きいのが「ビジネスを効率的に進めてきたか(=経済学をビジネスに積極的に活用してきたか)」の違いではないかと思っています。