見た目は寿命にも影響する
見た目は老化予防や寿命にかなり影響していると考えられています。
99歳で亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴や、105歳で亡くなった聖路加国際病院名誉院長の日野原重明は、晩年こそ老け込んで見えましたが、80代の頃は2人とも、かなり若々しく見えました。
前述のように、私は日大の常務理事をしているので、定期的に日大に通っていますが、そこで日大の顧問になったオリックスシニア・チェアマンの宮内義彦さんによくお会いします。
宮内さんも80代後半ですが、とても80代とは思えないくらい若々しいのです。
また私を常務理事に推薦してくれた日大理事長の作家・林真理子さんも、当然のことながらとても若く見えます。
みなさんに共通しているのは、いつまでも新しいチャレンジを続けて、意欲的に生きているということでしょう。
誰もがこのような生き方ができるなら、見た目年齢もある程度、若く保つことが可能かもしれません。
でも現実は真逆です。今の日本は高齢者から運転免許を取り上げて移動する自由を奪ったり、コロナになったら3年間も家に閉じ込めたりするなど、高齢者の老化を進めることばかり行っています。
また、美容整形した人やカツラをした人をさげすむようなことも平気でしています。
いずれも高齢者を老け込ませる世論が元凶ですが、これらの世論を放置していると、日本の高齢者はますますヨボヨボになっていきます。
一方、高齢者をヨボヨボにしないことが、将来のこの国にとってもよいことなのに、国はその反対の政策ばかりやっているのです。
高齢者の若返りは日本を元気にする
現状では、5000万人まで増える高齢者のうち、3割の高齢者がいずれ要介護になると試算されています。
でも対策を講じれば、要介護になる高齢者を1~2割に減らせる可能性があります。そうすれば、国の介護費もずいぶん削減できますね。
高齢者が元気になれば日本の経済もよくなります。高齢者は労働力になりますし、消費もしてくれるからです。
今の日本の労働市場は深刻な人手不足が続いているので、1日数時間でも高齢者に働いてもらったら、ありがたいのです。
また、経済は生産だけでは成り立たないので、消費も増やさないといけません。たとえ働いていなくても、高齢者は大事な消費者でもあるのです。
そういう社会に変えるにはどうすればよいのか。答えは簡単ですね。
高齢化が加速して、高齢者がもっと増えることがわかっているなら、高齢者を若返らせればよいのです。
それに対して、今の政府の対策は後手後手で、年金を払う時期を遅らせるとか、医療費の自己負担率を上げるとか、ろくなアイデアがありません。
そんなことより、高齢者が意欲を失わないような社会をつくって、みんなを若返らせるような政策を考えればよいのです。
そして、個人としてのわれわれは、意欲を失わないためにもっとも効果的である「見た目を若くする生活」を始めることです。