子どもの教育にはどのくらいお金をかけるべきなのか。長女を小中高と公立・塾ナシでハーバード大学に進学させたディリーゴ英語教室代表の廣津留真理さんは「教育費を考える時にも、企業が財務状況を示す際に用いる『バランスシート』を作成するといい。負債も資産になるという考え方ができると、教育費を無駄なく有効に使うことができる」という――。

※本稿は、廣津留真理『子どもも自分も一緒に成長できる これからの親の教科書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

母親の前でバイオリンを演奏する女の子
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節約術より大事な「お金の使い方」

「お金を貯めたい」と考えている人の中には、「お金を貯めないといけない」という、半ば強迫観念のようなものにとらわれている人はいないでしょうか。「老後2000万円問題」もそうですが、今、世の中を見ると「○○節約術」とか、「資産運用のすすめ」とか、とにかくお金を貯めさせようとする言葉が溢れています。

それらをすべて否定するつもりはありませんが、どうなるかわからない将来のためにお金を貯めることが、そこまで必要なのでしょうか。

それよりも私は、「お金を貯めないといけない」というマインドブロックを外し、もっと自分に合ったお金の使い方や貯め方を探ることの方が大切だと思います。

私はお金を使うとき、必ずそれが「浪費」「消費」「投資」のどれかを考えるようにしています。

「浪費」とは必要以上にお金を使うことですが、例えば私にとってお酒を飲むことは「浪費」だったので、すっぱりとやめました。お酒を飲んだところで特にリラックスできるわけでもないし、何かを生み出すわけでもない。だったら、「消費」ではなくただの「浪費」だと感じ、自分にとって無駄だと判断したのです。

「消費」とは、例えば減価償却していくもの。

減価償却とは時間とともにその価値が減っていく資産のことを指します。これは会社経営などでは必須の考え方ですが、経営したことがないと、いまいちイメージが湧かないかもしれません。

一般の家庭に置き換えて考えると、日々の食材や、例えばオーブントースターやお掃除ロボットといった家電などが当てはまります。言い換えれば、「生活するうえで必要なもの」「購入することで生活が便利になるもの」を「消費」と捉えればよいでしょう。