「体が資本」を意識している

お金を貯めている人を見ていると、「体を大事にしているな」という印象を受けます。「体が資本だ」と考え、意識しているところが強いのです。特にタバコを吸う人の割合は非常に少ないです。喫煙する習慣があるかどうかをたずねようとして、「タバ……」と言った時点で、食い気味に「吸いません!」と返答されることも多いです(笑)。

睡眠の質を大事にしている方も多いです。自分の体型に合ったマットや枕をこだわって選んでいることも。いろいろなサプリメントを摂取していたり、パーソナルトレーナーをつけていたり、時折「そこまでやる必要はあるのかな?」と思えることもありますが、それだけ健康に意識を向けているということでしょう。運動と睡眠と食事をバランスよく。

認識できない10代の少女のクロップドショットは、薬を飲む
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一見、当たり前のように思えることを普通にやっている印象が強いです。老後の3Kは「金」「健康」「孤独」と言われます。健康でいることによって、医療費や薬代、入院費などが必要なくなりますから、経済的な面からも大事な要素ではあります。そこまで意識しているわけではないかもしれませんが、本格的な老後を迎える前から、自分の体に目を向け、準備しているともとらえられるでしょう。

歯のメンテナンスは怠らない

意外なところでは、「歯」のメンテナンスをしっかりしている人が多いです。歯科医院で定期的なメンテナンスを行っている方の割合が高いです。「持病などで、病院に定期的に通っているところはありますか?」と聞くと、「特に持病はありませんが、歯科医院には3カ月に1回行っています」とおっしゃるのです。老後になってから、「歯の手入れをもっときちんとしておけばよかった」と悔やむ方もいると聞きます。自分の歯を使ってものを食べられることが長寿の秘訣なのかもしれません。

80歳になっても全部で32本ある自分の歯のうち、20本以上は残っている状態を保とう、という「8020運動」があります。日本の平均では、70歳以上の平均的な歯の数は20本以下だそうです。自分の歯が20本以下の人は認知症を発症するリスクが高いことがわかっています。また、自分の歯が20本以上ある人にくらべて、自分の歯が1本以下で入れ歯をしていない人は転倒するリスクが2.5倍に高まるそうです(2018年「日本転倒予防学会誌」山本龍生氏、歯科から考える転倒防止)。それだけ歯は重要な要素なのですね。