「親とは違う生き方をしたい」という葛藤が芽生えることも

精神科医の香山リカ氏はこういっている。

「一般的に16歳から17歳の子供たちは、この時期に自己のアイデンティティー、つまり“自分らしさ”を確立するといわれています。両親をはじめとする周囲の大人たちをモデルとして見ながら、自分の進路や将来を考えて、自分らしさを作り上げていくのです」

しかし、家族や周囲の大人たちが批判されているのを見てしまうと、モデルとするべき大人がいなくなり、「親とは違う生き方をしたい」などと子供が心のうちに葛藤を抱えてしまうことになるというのである。

両親が敷いたレールの上をただ乗っかっていくだけの人生に疑問を抱くのは、この年頃なら誰でもあることである。

そんな息子の悩みを間近で見ている母親が気づかないわけはない。

9月11日、57歳の誕生日を迎えた秋篠宮紀子さんは、記者からの質問に文書で答えたが、その中で悠仁さんのことをこう書いている。

「悠仁は、この春から高校2年生になり、勉学に励み、クラブ活動やその他の学校行事に参加しながら、充実した生活を送っているように思います。また、空いた時間を生かして、以前から関心をもっているトンボ類の観察や、イネの栽培など、自分の関心事にもバランスよく取り組んでいるようです。

悠仁の進路についてですが、学校生活においても、その他の活動においても、自分らしく学びを深め、さまざまな経験を重ねながら、自らの関心や探究心を大切にしていってほしいと願っております」

昆虫研究への熱意は筋金入り

昨年も紀子さんは、悠仁さんについて、こう記していた

「この春から、トンボ類をはじめとする生き物の調査を、より積極的に進めるようになりました。そして、宮邸周辺の虫や植物などの生息環境と生物多様性の保全に関心を広げている様子です。

また今年も、長男が米作りをしている田んぼは、家族皆で耕して、畦塗りや代かきをし、田植えをしました。もうすぐ収穫の時期を迎え、稲刈りをする予定です。また、時間を見つけていろいろな野菜を栽培し、成長の具合を確かめ、気を配りながら世話をしている長男のそばで、私たちも草むしりなどの作業をしています。収穫した野菜を食事の折に皆で楽しんでいます」

公務や秋篠宮家を訪ねてくる外国からの賓客には見せない、悠仁さんの生き生きとした表情が浮かんでくるようではないか。

ノンフィクション作家の保阪正康氏が文藝春秋(2023年2月号)に寄せた「続・平成天皇皇后両陛下大いに語る」の中で、天皇が当時7歳の悠仁さんと散歩した時の話をしている。

「悠仁は虫に興味を持って、『これなんという虫?』とよく聞くんですよ。私はすべて教えました。子どもっていうのはかわいいものですね。本当にかわいい」

悠仁さんの虫に対する愛情は筋金入りなのである。