大手から中小企業に移って面食らうこと
大手企業の定年退職者、もしくは早期定年退職者の多くの受け皿となっているのは、中小企業やベンチャー企業です。
世の中には大企業の待遇をしのぐ中小企業もあれば、ものすごい技術を持った中小企業も少なくありません。
しかし大手から中小に移ると、頭では「郷に入れば、郷に従え」と思っていても、次の2点には面食らうようです。
前職の部下が優秀だったことを思い知る
まず1つ目は、「人材、予算、設備がない中で、短期間のうちに成果を求められる」点です。
中小企業に移って、前職の部下や若手がどれだけ優秀だったかを思い知った、という方も少なくありません。
管理職なのに予算や計画の立て方を知らない、開発についての理論的な知識を持った人が退職して空席のまま、情報システム部門にJavaを使える人材がいない、「パーセントの求め方」もおぼつかない若手社員ばかり、というケースもあるようです。
そんな社員であっても、なんとか教育して戦力にしていくのが中小企業のルールです。
「使えない人は取り替える」という、異動を前提とした古き良きエスタブリッシュメント企業のやり方は通用しないのです。
現有戦力を育て、駆使して、成果を出すしかないのです。
「前職ではこうしていた」と言ってみたところで、実現できるヒト、モノ、カネ、情報はありません。実現性が乏しい提案は、単なるないモノねだりになってしまいます。
開発のための設備や、試作品の計測器を持っていなくても、どこかの計測器を借りるなり、外注するなど、知恵を絞らなくてはなりません。