コンビニの24時間営業は、オーナーにとって大きな負担となっている。現役コンビニオーナーの仁科充乃さんは「1日のなかでもせめて深夜の数時間でいいので、安眠できる時間がほしい。私は約3年間、1057連勤を経験している。たとえ休みが取れても24時間営業では葬式や旅行に行っても気持ちが休まらない」という――。(第1回)

※本稿は、仁科充乃『コンビニオーナーぎりぎり日記』(三五館シンシャ)の一部を再編集したものです。

コンビニエンスストア
写真=iStock.com/Vorawich-Boonseng
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あまり知られていない“炎天下での作業”

一般にあまり知られていないようだが、多くの人々に知っておいてほしいことがある。炭酸飲料の入っていたペットボトルの危険性についてだ。コンビニでは、お客の飲み終えたペットボトルを回収(*1)している。

ペットボトルの回収車は、キャップがついていると持っていってくれないので、店側でボトルのキャップを外す作業をしなければならない。これが結構、手間でたいへんな作業となる。真夏の暑い時期、ゴミ箱にはびっくりするほどの速さでペットボトルが溜まり、すぐに満タンとなる。狭い店内にペットボトルのキャップ外しのスペースなどない。

外へ出て、駐車場の片隅に陣取り、炎天下での作業となる。大量のペットボトルのうち、7割ほどのキャップがきっちり閉まっている。飲み残しが入ったものもある。キャップを外し、中身を捨てねばならないので、キャップがついていないボトルの3〜5倍の時間がかかる。なかにはギッチリとタバコの吸い殻が詰めてあるものもあり、これだと中身のタバコを振って取り出したうえで、中を洗わねばならない。

ここからがぜひ知っておいてほしいことなのだが、炭酸飲料が入っていたペットボトルのキャップを外すことほど危険な作業はない。猛暑の中、外のゴミ箱に入れられたペットボトルの中では残った炭酸飲料が発酵し、破裂寸前になっている。

ちょっと外しかけた段階で、ブシュッ! と嫌な手応えがあった途端、バンッツ‼ とキャップはあらぬ方向へと飛び出していく。眼球に直撃すれば失明しそうなほどの威力だ。

(*1)ペットボトルを回収 ペットボトルも含め、ゴミは専門の業者に回収してもらう。うちの店ではその回収費だけで月3万円ほどかかっている(2023年現在)。ゴミの仕分けなどの手間も考えると、ゴミ箱を設置する店舗側の負担は大きい。そのせいか最近では、店頭にゴミ箱を置かない店が増えてきている。つい先日、お客に「こんな大きなゴミ箱出しているコンビニ、このあたりじゃここしかないよ」と言われた。