茨城県警が「茨城ダッシュは大変恥ずかしい」と啓発
2023年6月20日、茨城県警察は危険運転の「茨城ダッシュ」を根絶すると発表し、白バイの編隊まで組んで緊急の取り締まりを華々しく行いました。
県警の交通部長が「茨城ダッシュは大変恥ずかしい。茨城の交通マナーの悪さを如実にあらわしている」とコメントするなど、本腰を入れた様子です。
茨城ダッシュとは、交差点で信号が赤から青に変わった瞬間に、直進する対向車より早く右折する行為のことで、交通マナーの悪さを象徴する「ご当地ルール」の一つとして、近年ニュースなどでもたびたび取り上げられています。
ちなみに、このようなご当地ルールと呼ばれるものは全国各地にあり、茨城ダッシュと同じく、青信号で早く右折する「伊予の早曲がり」をはじめ、右折車優先を中心とした「山梨ルール」、強引な右折が特徴の「松本走り」や「なまら車間泥棒」、外側の直進レーンから右折する「京都曲がり」などなど、右折にかかわるものだけでも調べるとどんどん出てきます。
「伊予の早曲がり」「松本走り」なども同様の危険運転
他にも、黄色信号で進む「阿波の黄走り」や、その土地ならではの運転ルールの総称として「名古屋走り」「大阪走り」「播磨道交法」「佐賀のよかろうもん運転」「香川ルール」「へこらいルール」などが知られており、なかにはウインカーを出さない「岡山ルール」「蝦夷ノーウインカー」なんていうものまで存在しています。
なんだか、どの県もすごそうですね。「地方ってどんだけ無法地帯なんだよ!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、筆者も含め、茨城県民の感覚としては「まあ、時々見かけることはあるけど……」というのが一般的かと思います。「名前ほどはダッシュしてねえべ」というのも感想として付け加えておきますが、県民にはこれまで半分「ネタ」として扱っていた面があり、今回、県警が「根絶」とまで息巻いていることに対しては少し温度差といいますか、若干戸惑いを感じている人も少なくないようです。
ただ、県警によると、2023年は4月末までに交差点のある信号で起こった事故のなんと8割が右折にからんだもので、そのうち死亡事故も8件あったそうなのです。なるほど、この数値を見ると、根絶に向けて積極的に注意喚起をしていこうという気持ちになりますね。
とはいえ、呼びかけや取り締まりだけでは限界がありますので、本気で茨城ダッシュを防ぎたいなら、できない仕組みを作ることも大切だと思います。例えば、茨城ダッシュが多発している交差点には、最初は直進と左折だけ青矢印の信号機を点灯させ、時間差で数秒後に通常の青信号に切り替えて右折OKにするのはどうでしょう? 信号の点灯タイミングを少しだけずらすことで茨城ダッシュを確実に防げる茨城の新兵器! 「ダッシュガード」とか、名前もちゃんと付けたほうがPR効果も高まっていいですね。