「制度自体信頼できない」「詐欺の手口のよう」

「『制度自体信頼できない』『詐欺の手口のよう』『河野大臣は失敗したので更迭すべきだ』――。毎日新聞が6月17、18日に実施した全国世論調査で、トラブルが後を絶たないマイナンバーカードに対する不安や怒りの声が多数寄せられた。

(中略)今回の調査でマイナンバー制度について尋ねたところ、『不安を感じる』との回答が64%で、『不安は感じない』(22%)を大きく上回った。現在使われている健康保険証を2024年秋に原則廃止する政府方針についても『反対』が57%に上り、『賛成』は31%だった」(毎日新聞デジタル版2023/6/25 11:30

朝日新聞(6月9日付)も社説で「マイナ保険証『一本化』強行許されぬ」として、

「今後最も懸念されるのが、来年秋の健康保険証の廃止と、マイナ保険証への移行だ。先週法律が成立したが、利用者や医療・介護現場の不安は置き去りのままになっている。

高齢者や障害者が円滑にカードを取得し利用できるのか。認知症の人の意思確認や暗証番号の扱いはどうするのか。高齢者や障害者の施設では、健康保険証を預かっている例も多いが、マイナ保険証で同様の運用ができるのか。こうした疑問に政府は十分答えていない」

私のような高齢者は、政府が運営するオンラインの「マイナポータル」にログインするためのパスワードと、6桁から16桁の申請用のパスワードを覚えておけるはずがない。

高齢者施設では「預かれない」と不安の声

深刻なのは高齢者施設である。

「京都市にある特別養護老人ホーム『原谷こぶしの里』。この施設では医療機関への受診に備え、入居者約100人のほぼ全員の健康保険証をカギ付きの引き出しに保管している。受診の頻度は、およそ3日に1回に上り、看護師や生活相談員が付き添っている。

施設長の介山篤さん(45)は、マイナ保険証への一体化に対し、『銀行のキャッシュカードを持ち歩くようなもので、紛失や漏洩ろうえいがあったらだれが責任をとるのか。容易に預かることはできない』と言う。

マイナ保険証では受診の際、暗証番号が必要になる場合もある。暗証番号を覚えたり入力したりするのが難しい入居者に代わり、職員が暗証番号を管理することにも抵抗を感じるという」(朝日新聞7月2日付

週刊誌も黙ってはいない。特に新潮が熱心に反対キャンペーンを続けている。直近でも、

「もうやめよう『河野太郎』が引き込む『マイナカード地獄』」(6月22日号
「『マイナ保険証』やっぱりいらない」(6月29日号
「『マイナカード』まだまだ不都合な真実」(7月6日号

と、マイナカード不要論を訴え続けている。7月6日号を紹介しよう。