著作権法関連の法律改正は不可欠

このように、多くの巨大企業が平成になってから誕生したIT・通信業界において、日本ではアメリカや中国のようにスーパースターが生まれなかった。

Winny事件によって、国全体がIT革命の波に乗り遅れたことが原因といえる。

そして、IT革命に乗り遅れた根本的な原因の一つが、Winny事件の裁判により7年半もの間、新たなP2P関連の技術開発が止まってしまったことであるのは明白である。

金子氏の身に起こった悲劇を、そして、それにより日本の産業および経済に起こった悲劇を繰り返さないためにも、著作権法関連の法律改正は不可欠である。日本のテクノロジー産業の発展にとっては時すでに遅しとなった感はあるが、それでも新たな技術革新はこれからも止まることなく行われていくことを考えると、取り組んでいく意義は大きいといえるだろう。

【図表】金子勇氏「Winny」公開からの年表
【関連記事】
なぜインド人は世界の一流企業で出世するのか…「勤勉で真面目」な日本人が評価されなくなったワケ
フェイスブックの次はVR離れ…1兆円超えの大赤字を垂れ流す「メタ社」の悲惨な末路
「楽天にとって不運だったのは菅首相の誕生」楽天モバイルが苦戦を強いられている"本当の原因"
2023年総収入91億円の大谷翔平と超大型契約したニューバランスの販売戦略を"邪魔"した日本の公益財団法人
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた