しかも必ずしもご公務の場面に限らず、ご家族水入らずでのご静養のご様子まで、国民に伝えて下さっている。4月に久しぶりに栃木県にある御料牧場でご家族おそろいでご静養された時(この時は約3年8カ月ぶりのご静養だった)、テレビカメラの前で記者の質問に皆さまでお答えになったばかりか、後日、ご家族ご一緒にタケノコや大根を掘られたり、敬宮殿下が命名された子牛「レインボー」に自らミルクを与えられたりする、いかにも楽しげなご様子が、写真で公開された。これも異例のことだろう。

こうしたご配慮によって、人々はより一層、天皇陛下ご一家のことを身近に感じることができたのではあるまいか。

皇室として「変わらないもの」

両陛下は先のご感想の中で、「世界や社会の変化」をしっかりと見据えられ、「そうした変化に応じて私たちの務めに対する社会の要請も変わってくる」とされた。

しかし、その一方で皇室として“変わらないもの”についても強調されている。それは何か。「国民と苦楽を共にするという皇室の在り方が大切であるとの考え方を今後とも持ち続けていきたいと思います」と述べておられる。

「国民と苦楽を共にする皇室」――これこそは、時代の“変化”を超えて維持され、受け継がれるべきであるとのお考えだ。

両陛下の皇室像を受け継ぐ愛子さま

この一節に触れて、敬宮殿下がご成年を迎えられた時の記者会見でのご発言を思い起こした人も、少なくないのではないだろうか。

あの記者会見で「皇室の一員としての在り方」を問われた殿下は、以下のようにお答えになっていた

「私は幼い頃から、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、皇室の皆様が、国民に寄り添われる姿や、真摯しんしに御公務に取り組まれるお姿を拝見しながら育ちました。そのような中で、上皇陛下が折に触れておっしゃっていて、天皇陛下にも受け継がれている、皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、ということが基本であり、最も大切にすべき精神であると、私は認識しております」

まさに、天皇・皇后両陛下が指し示されている“あるべき皇室像”を、立派に受け継がれていることが分かる。両陛下との20年余りにわたる日々のお暮らしの中で、着実に「大切にすべき精神」のご継承がなされている事実を窺うことができる。

当たり前に考えて、「日本国の象徴」であり「日本国民統合の象徴」とされる天皇というお立場は、このような気高い精神を間違いなく継承されている方が受け継がれることが、最も自然であり、多くの国民にとって最も受け入れやすいのではあるまいか。