いつでも誰でも気軽につくれて一生有効

遺言というと親世代を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、現役世代も他人事ではありません。遺言がないと、残された家族は経済的にも大きなリスクを背負うことになります。

まず、遺言書がないと相続手続きが複雑になりやすく、遺族に大きな負担がかかります。財産の名義変更のために必要な書類を取り寄せるだけでも結構大変で、この諸手続きを専門家に依頼すると、20万~30万円程度の費用がかかります。遺産分割協議で揉めると、もっと大変です。私が相談を受けた中には、遺族が預貯金を引き出せず生活費に困ったり、相続人の1人が勝手に不動産を売却した例もありました。それが裁判に発展すると、訴訟費用もかかります。家族を余計なトラブルに巻き込まないためにも、元気なうちに遺言書を作成すべきでしょう。

(村上 敬=構成)