スマホを持っているだけで受信料を取られる?
4月27日付で産経新聞が「NHKの財源として、スマートフォンなどを含めて受信できる環境にある人に費用負担を求める『受信料収入』が望ましいとして意見が一致した」と報じた。
これを受けて5月1日にSmartFLASHは「『NHK受信料』『スマホ所持』がトレンド入り『スマホ持っているだけで受信料?』有識者会議は否定もSNSで集まる疑心暗鬼の声」というタイトルの記事を掲載したが、きちんと次のようなコメントを紹介していた。
「ただWG(公共放送ワーキンググループ)では、第1回会合から、『スマホを持っているんだから、NHK受信料を負担してください、なんていうのはまったくの問題外』など、スマホを所持するだけで受信料を徴収することには、否定的な意見が大勢です」
産経新聞の記事はミスリーディングで、Flashがそれを是正している。にもかかわらず、たしかに国民の多くは疑心暗鬼になっている。その疑念はこのようなものだ。
「そうはいっても、NHKは、将来、テレビを持たない人々からも受信料を取るようになるのではないか」言い換えれば「スマホやパソコンを持っているだけで受信料を取るようになるのではないか」
1社のみが契約を義務付け、料金を求める異常
ちょっと聞いただけでは、これはとうてい無理な話に聞こえる。にもかかわらず、国民の胸にこのような疑念が広がるのは、NHKはそう疑われてもしかたがないことをしてきたからだ。
現在、NHKはテレビ(放送を受信できるチューナー付きの)を持っているだけで、半ば強制的に受信料を取っている。正確にいうと、放送法で受信契約を義務付け、NHKの受信契約規定で受信料の支払いを義務付けている。
国民はテレビで日テレ、TBS、フジ、朝日など民放の番組も見ているのに、NHKにだけ受信料を払っている。NHKのプロパガンダのせいで、当たり前のように思われているが、これを新聞に置き換えると異常さがわかる。読売、朝日、毎日、産経、その他地方紙があるのに、朝日新聞だけ購読契約を義務付け、料金を支払えといっているようなものだ。
イギリスでは許可料(受信料に当たる)は、放送業者全体に支払われ、BBCが独占しているわけではない。オーストラリア、ニュージーランド、フランスは、受信料に当たるものを廃止している。