駅伝の強豪チームが採用したことでも話題に

また、タバタトレーニングを行っている人も多岐にわたり、プロアスリートやアマチュア競技者をはじめ、時間がない多忙なエグゼクティブや一般の人も取り入れていて、効果的なトレーニング方法として広く認知されるようになっています。

もちろん、海外だけでなく、日本でも多くのアスリートたちがタバタトレーニングを実践しています。著者の知る限りでも、スピードスケートやラグビー、バドミントン選手などが取り入れていますし、数年前には、大学駅伝の強豪チームが採用していることでも話題になりました。最近では、モデルさんやタレントさんなどの著名人もSNSで紹介してくれているようです。読者の皆さんの中でも、運動に関心の高い方などはすでにご存知かもしれません。

ラグビーのスクラム
写真=iStock.com/skynesher
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「高強度」だからこそ最大の効果を得られる

タバタトレーニングは、運動の形でいうと「高強度・短時間・間欠的トレーニング」です。運動の種類や動きなどの決まりはなく、道具を使っても使わなくてもできるので、自分に合ったやり方で気軽に取り組めます。

より具体的にいうと、20秒の高強度・短時間運動を、10秒の休息を挟みつつ、6~8回ほど行って疲労困憊こんぱいに至る。これを週2回行うだけです。運動を8回行ったときの合計時間を計算すると、わずか230秒。つまり3分50秒という短時間で完結します。たった4分足らずで、有酸素性トレーニングと無酸素性トレーニングを同時に行えて、なおかつ、どちらも最大の効果が得られるトレーニング方法、それがタバタトレーニングなのです。

これだけのシンプルなトレーニングで最大効果が得られる大きな理由は、疲労困憊に至るほどの「高強度」である点です。タバタトレーニングでいう高強度は、「最大酸素摂取量の170%の強度」に当たります。

酸素摂取量とは、1分間当たり、体重1kg当たりに摂取できる酸素量(mL)のことで、その最大値が最大酸素摂取量です。体を動かすためのエネルギーをつくるには、基本的に酸素が必要ですが、これはどれだけ酸素を取り込んで消費できるかを測るうえで重要な数値で、通常、持久力は最大酸素摂取量で評価されます。

一般的な有酸素性トレーニングの強度は、最大酸素摂取量の50~70%といわれているので、タバタトレーニングはその3倍くらい強度が高い、つまり「高強度」なのです。