2022年下半期(7月~12月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2022年10月13日)
運動力の向上にはどんなトレーニングが望ましいのか。立命館大学スポーツ健康科学部の田畑泉特任教授は「私は『高強度・短時間・間欠的』に行うことで有酸素性運動と無酸素性運動の要素をどちらも取り入れられる『タバタトレーニング』を研究している。このやり方なら、週2回、4分間のトレーニングをするだけで100%の効果が得られる」という――。

※本稿は、田畑泉『1日4分 世界標準の科学的トレーニング 今日から始める「タバタトレーニング」』(ブルーバックス)の一部を再編集したものです。

バーピー
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世界中で支持されている「タバタトレーニング」

インターネットで「TABATA Training」を検索すると約950万件ヒットしますが、日本語の「タバタトレーニング」で検索すると、ヒット数は約85万件です(いずれも2022年7月1日現在)。実に、英語ページのほうが日本語ページよりも10倍以上多く存在します。その数字が示すように、タバタトレーニングは日本よりも海外でよく知られるトレーニングなのです。中でも最初に注目したのは、アメリカ西海岸のトレーニングマニアたちでした。どうやら著者の発表した論文を読んだことで一気にブレイクしたようです。

その後、東海岸のハーバード大学医学部の学生たちも論文を読んで知り、タバタトレーニングをやりはじめました。タバタトレーニングは、休息を挟みながら高強度の運動を行う「インターバルトレーニング」の一つですが、このようなトレーニング自体は1930年代から存在していました。それが、1952年のヘルシンキオリンピックで5000m、1万m、マラソンの3つの金メダルを獲得した陸上選手ザトペックが採用していたことで有名になった、という歴史があります。

ただ、著者がタバタトレーニングを研究し、その効果を科学的に明らかにした論文を発表したことで、世界的に「TABATA」が知られることになったのです。今では、アメリカに限らず、ヨーロッパ、南米、アジア各国にも伝わるに至りました。