人事・ダイバーシティ担当者への助言も

その後、橋本さんと木下編集長も加わってグループディスカッションが行われました。参加者は2つのブレイクアウトルームに分かれ、今回の講演内容や自社のダイバーシティの問題点について意見を交換。およそ45分間にもわたって白熱した議論が続きました。

アフラックの取り組みについては、数値目標の達成に向けて的確な施策を打ったこと、それを成果に結びつけたことに感嘆の声が多数。リモートワークとオフィスワークのバランスも議題に上り、「リモートワークにしたくてもできず、不公平感を覚える社員が出始めている」など、各参加者とも苦労している様子がうかがえました。

また、部下育成への上司のコミットメントやダイバーシティ推進への経営層のコミットメント、若手の離職率、男女の賃金格差開示などについても、多くの参加者が課題感を抱いていました。

これらに対しては、橋本さんや木下編集長からのアドバイスも。例えば経営層のコミットメントに関しては、橋本さんから「競合他社などのデータをエビデンスとして説得に当たってみては」と助言がありました。

グループディスカッションのようす
撮影=小林久井(近藤スタジオ)

最後に、木下編集長が今回の研究会を総括。「日本経済の復活には、人口の約半分を占める女性の活用が不可欠です。今後も日本のダイバーシティ向上に力を尽くしていきたいと思います」と語りました。

木下編集長は、1月に『図解!ダイバーシティの教科書』と題した著作を発表。また、プレジデント総研では目下、「若手社員向けキャリアデザイン研修」を作成中とのことです。こうした取り組みとあわせて、この研究会でも、今後もダイバーシティ推進や女性活躍施策に役立つ情報を続々と発信していくそうです。

構成=辻村洋子

橋本 ゆかり(はしもと・ゆかり)
アフラック生命保険 CDIO 執行役員

1989年アフラック入社。2016年料金第二部長、2018年ダイバーシティ推進部長就任。2021年執行役員、2023年から現職。ダイバーシティや働き方改革「アフラック Work SMART」の推進に取り組み、リモートキャリア制度の導入や、100人以上の女性社員との面談を実施するなど、多くの社員のキャリア形成を支援してきた。

木下 明子(きのした・あきこ)
プレジデント ウーマン編集長