全て自然体、裸足で暮らす

私は島ではブラジャーも着けず、時にはパンツも履かず、パレオと呼ばれる布を体に巻いて、裸足で暮らしています。裸足で土の上を歩くと、自分もこの地球の一部だと感じられますから、疲れたときは、裸足で歩き回ったり、寝転んだりすると、なんとなく落ち着いてきます。

ビーチの岩場
写真提供=筆者

もちろん東京で、裸足で歩き回るわけにはいきませんが、たとえば週末に新宿御苑や代々木公園に行って裸足になってみるだけでも違うのではないでしょうか。すべての動物は裸足で歩いて地面とつながっていますから、動物たちはそんなに不安になっていません。ふつうに生きています。本来は人間も同じ存在なのに、それを忘れているわけですね。靴を履いているのは人間だけなのです。

SNSなどで人生相談を受けたときは、「空を見上げよう」「裸足になろう」ということをお伝えしています。

子育ての重い責任が親に集中している

子育ての悩みもよく聞きます。実は私も出産する前は、自分が母親になることが想像できませんでした。どうやって子育てをしていいのかわからなかったので、とにかく地域の人に子どもを預けました。本当に恵まれていることに、島には小さなコミュニティーがあるので、地域の人たちがうちに遊びにおいでとか、一緒にキャンプに行こうとか、子どもを誘ってくれます。それでどんどん行かせていたら、子どもたちもいろいろなことを覚えてくるようになりました。つくづく子どもたちにも家以外のコミュニティーが必要だと感じました。

山崎さんの作品
写真提供=筆者

でも今は安心できるコミュニティーは失われていますから、お母さんに全部責任がいってしまうんですね。本来コミュニティーが子どもに与えることを、お母さんが全部やろうとするから、無理がくる。それでお母さんは精神的に苦しくなって、イライラして子どもに八つ当たりしてしまう。でもコミュニティーの中に子どもを入れておけば、お母さんはゆっくり休めるんです。

私はそれを考えてやったわけではなく、とにかく一人ではできない、みんなに手伝ってもらわないと無理と思っていたから、自然とそうなっていました。

お母さんが助けを求めることはもちろん大事ですが、そもそも一人ひとりに余裕があれば、みんなが助けてくれるはずなんです。心が豊かだと時間も惜しまず、おいでおいでとなります。

今、子どもたちは18歳、15歳になりましたが、地域のあたたかい人たちに育ててもらったおかげで、私よりもよほどいろいろなことを知っています。「ママ、こういうときにはこうするんだよ」なんて、よく教えられています。