自動車保険の「対人・対物無制限」とは、どういう意味なのか。ジャーナリストの柳原三佳さんは「いざ事故が起きると、損保会社は被害者に対してかなり低い賠償額を提示するため、トラブルとなるケースが相次いでいる。何のための無制限保険なのか。社会全体で考える必要があるのではないか」という――。

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万一の事故に備え、被害者に対して十分な賠償ができるようにと、対人・対物「無制限」の自動車保険を契約している人は多いでしょう。

しかし、いざ事故が起こると、損保会社からはかなり低い賠償額の提示をされ、被害者側がそれに納得できず訴訟に至るケースが少なくありません。事故に備えるはずの保険が原因で、さらに被害者の尊厳までも傷つける事態になっているのです。