岸田政権にはあきれるしかない
この定義に該当するものに対して防衛大臣は自衛隊に「上空において破壊する措置をとるべき旨を命ずることができる」(自衛隊法82条の3)と定めている。
気球が「その落下により人命又は財産に対する重大な被害が生じると認められる物体」(自衛隊法82条の3)と言えるかどうかがポイントだが、意見は分かれるだろう。
いずれにせよ、「気球撃墜の根拠として使えそうな条文」すらよく分かっていない岸田政権にはあきれるしかない。
自民党も野党も嘘を言っている
「気球騒ぎ」は、日本の安全保障体制の根本的欠陥から目をそらさせるものだ。
気球のような「ファジーなもの」ではなく、外国の戦闘機・戦艦・戦闘兵が日本に軍事侵攻したとき、自衛隊は本当に日本を防衛するための武力行使をしっかりできるのか。
「できない」というのが私の答えだ。
これまでの自民党政権・自公政権は「できる」と言い続けてきた。
野党も、なんと自衛隊違憲論に立つはずの共産党ですら、いまや、日本防衛のために自衛隊を使えると言って恥じない。
しかし、彼らは嘘を言っている。
いかに「解釈改憲」や「違憲だけど政治的にOK」という御都合主義でごまかそうと、あるいは9条を温存し自衛隊を明記するだけの「安倍加憲」的改憲でお茶を濁そうと、憲法9条がある限り、「自衛隊はしっかり日本を防衛できる」とは到底言えない。
なぜそうなのか、本当の理由が十分理解されていないので、ここで説明しよう。