企業が望む即戦力になれず、厚待遇が消滅

試用期間の内容によっては、転職前に期待していた厚待遇があっという間に消滅する可能性もあることは注意が必要です。

先ほど、試用期間後に年収が変動する可能性が採用内定通知書に記載されているかを確認する大切さを指摘しましたが、試用期間によってポジションも変動することがある点を理解しましょう。

新しい転職先で年収もアップし、マネージャーとして管理職として迎えられた30代前半のDさんですが、なんと3カ月の試用期間後に年収がダウンしただけでなく、ポジションも平社員に降格させられる憂き目に合いました。

転職先の説明としては即戦力としての期待に応えられなかったというのが理由でしたが、やはり試用期間後に年収やポジションを見直すという条項が採用内定通知書に記載されていることをDさんは把握していませんでした。結果的に、Dさんは1年以内に転職先の企業を離れることとなってしまいました。

年収アップやポジションアップに代表される厚待遇には、必ず転職先の高い期待度があります。ですから、転職する際は必ず採用内定通知書を確認し、「試用期間後に“厚待遇”の変動がある」旨の記載がないかを把握するようにしましょう。

あらゆる可能性を覚悟した上で、それでも思い切って転職する腹が括れているか、自分自身に問いかけることが大切です。

オフィスでストレスを感じたビジネスマン。
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ストックオプションが単なる紙切れになるケースも

最後に、そのほかの「厚待遇企業」に見られる落とし穴とポイントを検証していきたいと思います。

①ストックオプション

転職先からストックオプションを付与するという提示があった場合は、勤務期間によって結果的にストックオプションの行使ができずに単なる紙切れに終わってしまう可能性があります。ストックオプションの付与が提示されたされた場合には、その行使条件を確認しておきましょう。

②在宅勤務(テレワーク)の許容度

コロナが沈静化していく中で、今後も在宅勤務(リモートワーク)を認めてくれるのかどうか、その許容度を確認しておきましょう。特に、在宅勤務をワークライフバランスの観点から重要視される方にとっては外せないポイントになります。